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最近担当した入試問題が、電磁場中での慣性座標系間での座標変換をテーマにしていたのだけど、考えたことが無かった形だったので、なかなか面白かった。ただ、出題の仕方には問題があって、本来、電磁場でなくて一般的に誤解が生じる現象と、電磁場特有の問題、というより、特別な座標系が存在しないという仮定の元で電磁場を捉えるという問題が混在していて、問題を解く人にとってどれだけ物理の理解に貢献するかと言われると厳しい感じがして、もったいなかった。

入試問題の解答を作成する立場からは、その詳細に立ち入れないのがもどかしい所ではあったけど、興味がある人がいたら、出版社に怒られ無い形で解説してみたいな。

前半の一般的に誤解が生じるという点について触れると、慣性座標系間で、特別な物はなく、どれも対等という話を耳にして過剰に捉えてしまった結果、エネルギーや仕事のようなものが慣性座標系間で等しい値を取るという物。

電磁気が絡まなければ、そこまで難しい話でも無いし、むしろ、電磁気が入らない形の力学の問題で、その辺を扱ったものを入試問題で扱っても良いと思うが、見たことない気がする。

後半は、電磁気による力の特殊性、というよりも、むしろ、電磁場も慣性座標系間で対等に扱われるべきということの帰結として、何が起きるかという話。

固定された点につながれた糸の他端におもりをつけて、摩擦の無い水平面上を回転運動をさせると、等速円運動をするけど、このとき、糸の張力は仕事をしない。

では、この系に対して等速直線運動をする慣性系(慣性系IIとする)に乗る観測者から見たおもりの運動を考える。慣性系IIと同じ方向に進む時のおもりと逆方向に進むときのおもりで慣性系IIから見たおもりの速度は異なる。この運動エネルギーの違いは、どこから出てきたのだろう?

ってな話が前半。

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