参考までに古DNAとは、遺跡で発掘された骨からDNAを抽出する場合に使われる単語。様々な理由でDNAが短く断片化したり、化学変化を起こしたりしているため、ターゲットとなるDNAが極微量で、解析には細心の注意が必要。
ペーボが、この分野を開拓したことでノーベル賞を取ったね。
特に、ヒトやその近縁種を扱う場合には、発掘や解析に関わったヒトのDNAが僅かに混ざるだけで解析の妨げとなる。COVID-19で話題になったことで、息に含まれる飛沫にウイルスのRNAが含まれていることは常識となったけど、そこから想像されるように、当然、ヒトのDNAもそれなりに含まれているわけなので、そのコンタミを防ぐのは非常に骨の折れる話なのです。
また、通常の解析では使えていた試薬であっても、試薬の製造段階で関わった生物の近縁種を解析の対象とする場合、試薬にコンタミしたDNAが邪魔になるので使えなくなることもある。
実際、友人が、古DNAの解析で苦労していたのを、よく知っているので、環境DNAでも、コンタミネーションに対する対処法が気になってしまうと言うわけです。