山本紀夫「トウガラシの世界史」を読んだ。
京大農学部から民博に行っただけあって、生物学的な話と民族学的な話が良い感じで融合している。
南米では野生種と栽培種がどちらも利用されているとか、栽培種の特徴と人為選択の関係、世界への伝搬の歴史、各地でのトウガラシ文化・料理などと、話題が豊富で楽しい。
とは言え、生物学的な話はゲノム解析以前の手法なので、現代的に世界のトウガラシのゲノムを解析して、著者の推測に留まるような伝搬の歴史を確かめてみるとか面白そう。(もう、誰かやってそうだけど)
南米から世界に伝搬したのは大航海時代以降で、積極的に利用されたのなんて、せいぜい数百年くらいと思われるのに、料理にトウガラシ無しでは考えられないような国が南米以外でも各地にあるのは面白いね。
伏見とうがらしだって、伝統の京野菜とか言われると平安時代くらいにはありそうなのにw
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