今日の東京新聞の女子大とトランスジェンダーの記事、相変わらず奥野さん(たち)の丁寧かつ熱量ある取材がベースになっていてよかったです。
他方で、これは当該記事に対する意見ではなく、より一般的なこととして、「○○女子大学が女性を自認する学生を受け入れ」というような表現は、もういい加減マスコミで使うべきでないと思います。理由はいくつもあります。例えば…
・理由1)「自認する性別」という概念は、トランスの人たちにしか適用されない謎概念である。
・理由2)「自認する性別」という言葉を使うことで、トランスの人たちの生活実態が適切に伝わることはおそらくなく、むしろ誤った印象を受け手に与えている。
・理由3)女子大サイドの決定は「入学条件から戸籍の表記が「女」でなければならないという条件を外す」という角度から理解されるべきもの。
・理由4)女子大を受験するトランスの学生から見えている風景としては「戸籍の表記を理由とした入学拒否を撤回」の方がはるかに実態に即しており、そうした排除が存在してきた来歴があり、今も社会のいたるところでその種の排除にトランスの人たちが苦しんでいるという事実を覆い隠してしまう。
昨日の渋谷LOFT HEAVENでのイベントにお越しくださった皆さま、ありがとうございました。
トランスジェンダーに関する基本的なことをたくさん話しただけでなく、フェミニズムがポピュラー化したとしても従軍「慰安婦」問題が論点としてポピュラーになっていないように、関心の置かれるテーマには偏りがあるからあんまり喜んでばかりでもいられないのではとか、森喜朗がオリンピックの役職を降りなければならない社会が来たことを喜ぶ人の気持ちは分からないでもないけど、いま現役の総理大臣が「日本は神の国」と発言したとして、その首相を辞めさせられるだけの体力はもうこの国に残っていないのではとか、わりとLOFTっぽい話(個人の判断です)もできてよかったです。
アーカイブ動画のみも一応購入できるようです。1500円払ってやっても良いかなと思う方がいらっしゃったらこちらよりどうぞ。
https://twitcasting.tv/loft_heaven/shopcart/254134
今日(9/2)の毎日新聞朝刊「今週の本棚」に『トランスジェンダー入門』の書評が掲載されています。評者は橋爪大三郎さん。冒頭いきなり「LGBTQのTは「トランスジェンダー」のT。出生時に決められたのと反対の性別を生きる人びとだ。」で始まっていて、本書で書いてきた説明もなにも咀嚼されておらず、あまりに乱暴で、正直ショックです。多忙を縫って橋爪さんに書評を書いていただけたのは感謝なことですが、こうした粗雑な書評が校閲の目をスルーしてふつうに全国紙の書評欄に載るということ自体が、トランスジェンダーたちを軽んじるメッセージになっていることには、もう少し自覚的であって欲しいものです。『トランスジェンダー入門』の第1章くらい読んでもらえないのでしょうか。というか、毎日新聞には抗議のメールを送ります。
https://mainichi.jp/articles/20230902/ddm/015/070/003000c
関東大震災時に朝鮮人をかくまった大川常吉鶴見警察署長のエピソードを強調したくなる気持ちはわからんでもないが、藤岡信勝・自由主義史観研究会の『教科書が教えない歴史』(産経新聞ニュースサービス、1996年)にも「勇気と友情の物語」章に登場するのはなんでかなと考えたほうがいいのでは。「国民の物語」的美談として称揚されることで、官憲の煽動・誘導に端を発する自警団の朝鮮人・中国人虐殺が後景化されるなら本末転倒ではないか。
神奈川新聞の記事では「当時の日本人にとって、朝鮮人は植民地からやってきた「二等国民」だった。日本人と同等に扱うべき存在と考えることができたのは、少数だった。警察官が住民を守るという当たり前のことが美談としてたたえられる社会状況。その異常さにこそ、目を向けなければならないはずだ。大川署長は、その背後にある虐殺という歴史の暗部を照らし出す存在でもあるのだ。」と釘をさしている。https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-41781.html
昨晩見つけた文章に関東大震災時朝鮮人虐殺の中村町での虐殺の描写がありました。(※リンク先には残虐な画像や描写があります。 https://vergil.hateblo.jp/entry/2023/07/23/081707 )
文章には「…殺した朝鮮人の死体を、倉木橋の土手っぷちに並んで立っている桜並木の、川のほうにつきだした小枝に、吊り下げる。しかも、一本や二本じゃない。三好橋から中村橋にかけて、戴天記念に植樹された二百以上の木のすべての幹に、死体をつるす。…」とありました。
三好橋(現三吉橋)、倉木橋(現久良岐橋)ともに、わたしには中村橋より身近な橋です。
しょっちゅう移動で通る道ですし、この近くには古い日本人の友人が住んでいます。川沿いの病院に極々親しいご高齢の方の付添いで頻繁に訪れますし、美味いと評判の蕎麦屋、えらい古いという評判だった蕎麦屋もこの近くにありました。
そしてこの川沿いの桜を自分で撮影して、店のポスターに利用していました。
まったく知りませんでした。
非常にショックです。
めちゃおもろマンガ、『花四段といっしょ』の最新話(途中まで)を更新しました!
https://twitter.com/hanayodan/status/1697550096307810336?s=46&t=zbJg8QTBKUaIbfWwQe9_Pw
X覗いてペドフェリア論争の地獄理解。トランス差別と合体して最悪になってるが、とりあえず内心の自由についての理解が皆無ですね…。これ、欲望としてのショタBLや生徒×教師のBLを読む/書く自由ともつながる話なんだが、たぶん通じないな…
最近増加傾向に見える米国ティーンのトランス人口は「突発性性別違和(Rapid Onset Gender Dysphoria =ROGD)」によるという主張があるが、実はこの「突発性性別違和」に関する研究は科学的ではないとする記事がこちら。ROGDは、トランスジェンダーの人が近くにいたり(同級生など)、SNSでトランスの人たちを見ることで性別違和が発生するというもの。この論はトランスジェンダーであることは社会的感染によって広がるとするので、当人の主張するジェンダーを認めるような学校では、シスの子が勘違いして性別移行し始めるというのだ。
だが有名な研究二つのいずれも発表が取り消されている。参加者を反トランスのウェブサイトでリクルートするなど、研究の手順に問題があったからだ。
ROGDを疑問視する研究者たちは、こどものカミングアウトがあまりに「突発的」と思う親のあたふたを反映したものといったほうが正確だろうとする。
とはいえ、米国ではROGDを使ってアンチトランスの法案がどんどん可決しているので、日本でも要注意かもしれない。
https://www.scientificamerican.com/article/evidence-undermines-rapid-onset-gender-dysphoria-claims/
B型事業所の見学をしたことがある。その事業所では結構立派なお弁当やパンを作っていた。
「健常者が作ったなら能力の高低に関わらず時給1000円はもらえるのに、同じ食べられるお弁当を作っているのに、どうして障害者が作ると時給100円になるんだろう」
そういうふうにしか思えなかった。
その事業所では交通費の支給もなかった。障害者が働けば働くほど赤字。
しかも働く場ではなくて障害者の訓練の場と言ってる割に、就労につながるスキルが身に着く作業はないんだよね。み〜んな嘘つき。
『生き延びるための音楽、変わるためのHIPHOP』のチケットが購入できるようになりました!
配信もあり2週間見ることができますので、遠方の方や既にに予定が入っている方も視聴していただけます!
今回は困窮割も準備させていただきましたので、必要な方はお使いください!
トロントの大学ジムを使っていた時は、スタジオジムのインストラクターの身体にとても多様性があって好きだった。人種とかジェンダーっていうだけでなく、全身にタトゥーが入っていたり、ジェンダー表現も様々。筋肉質な人もそうでない人もいたし、プラスサイズの人もけっこういて、参加してても安心感があった。
でも今通っている日本のジムのインストラクターやトレーナーたちは、男女で明確に服装も違って、みんな一様に鍛えられたモデルみたいな身体をしている。憧れてもらうのが仕事のひとつなのか、エクササイズの減量効果に説得力を持たせる必要があるからなのか。昔はフィットネストレーナーとして働くことも考えたけど、日本のこういうジムでその仕事をすると、よほど気をつけないとルッキズムにヘビー級の加担をすることになりそうだ。
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往々にして個々人の感情や思考は社会に存在する情報の偏りや流通する差別的偏見の影響を受けているのだけれど、そちらに思考を向けるのではなく、それとは正反対に、個々人があたかも「素朴に」感じているかのような不安や信条をそのまま肯定するための政治的な後ろ盾を得るために「個人的なことは政治的なこと」というモットーが(誤って)使われるのだとしたら、このモットーが持っていたポテンシャルなんてもはやぼろぼろに失われてしまう。「トーンポリシング」やその他のフェミニズム由来の概念が、そうした傾向に対する注意喚起を無効化するための新たな武器として使われるという、歯止めの効かない状況も生まれつつある。
20↑ 日々のこと、たまに本や音楽のこと
she/her トランス差別に反対します