木下杢太郎『少年の死』最後まで触れてます
これ今読むとマチズモに抑圧されて苦しんだ末に死に傾倒してしまう若い男性の話で辛すぎる……。男性同士の性的な暴行含む暴力が薄っすらと描かれていて、誰にでもお勧めできる小説ではないと思うけど、今に通じる何かはあると思う。海辺の町の牧歌的な幸福の風景の影で苦しむ主人公の姿が可哀そうで、あとテストの点数で煩悶する夢を見る描写もあって今も昔も変わらないなあ、と。
「耽美的な作風」と評されている通り主人公が死を物凄く甘美な逃走に感じているんだけど、見つかった死体の描写は医学博士らしくて冷徹で、決して自死を賛美するものではないと感じました。まあ今読むとこういう感想なんで、大正四年くらいだとまた現在と違った生死の捉え方というのがあると思うんですけど。
木下杢太郎『少年の死』最後まで触れてます
国語の授業こういうの読んで「人の尊厳を奪うとはどういうことなのか」という話し合いしてもよいのでは