『独立機関銃隊未だ射撃中』は当時の東宝のスター俳優の颯爽としたタフなイメージを逆手に取った配役も素晴らしいのです、あんなふうにすすり泣く佐藤允の演技は空前にして絶後です!そして死体を打ち捨てられたままの三橋達也……。
似ている作品として岡本喜八『血と砂』があげられますが、『血と砂』が反戦の意思を強烈に焼き付ける軍楽隊の少年たちのクライマックスを英雄的に描いているのに対して『独立機関銃隊~』の主人公たちはほぼ何もできずがれきの下に埋もれていってしまう、同時代の東宝の戦争映画に描かれることのなかった無力感とやるせなさは特筆に値すると思ってます。
谷口千吉、これ以外の作品は素っ頓狂な行動をとる登場人物がめちゃくちゃ楽しい娯楽作ばっかりなのに、どうしてこの映画を撮れたのか……。