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岡本喜八についての続き。『独立愚連隊』『独立愚連隊西へ』『どぶ鼠作戦』あたりのアクション中心の戦争映画について、娯楽としての戦争映画に拒否感を覚える人もいるかもしれない。でも個人が政治によって圧殺されることに対する怒りや、国威の虚しさとバカバカしさは常に描かれていて、主人公たちがどれほど英雄的な行いをしても最終的には日本という国を捨てる、日本という国から捨てられる道しか選べない、華々しく見えても苦い結末が待っている。
私はペキンパーの『戦争のはらわた』の12年も前に『どぶ鼠作戦』が作られていることになんかすごく感動してしまうんだよね…。

当時流行した東宝のサラリーマンものの系譜上にあるように見える『江分利満氏の優雅な生活』も、戦争を挟んだ親子2代の大河ドラマ的な要素があり、敗戦後の現実にどうにも馴染めない男性の居心地の悪さを描いた傑作だけど、これが大コケして撮りたい映画が撮れなくなったそうです。この映画、繊細な感情のバランスが崩れる瞬間を大胆なアクションで見せる場面がいくつかあって、なんかほんとに胸がいっぱいになるんよ。監督本人が一番好きな映画だそうで、私も大好き。佐藤勝の音楽もうららかさと悲しさが共存してて素晴らしい。

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