とにかく軟派女学生の頭領、お洒落でコケティッシュでパワフルで素っ頓狂な陽子さんが、『花物語』にもいないしどんな物語にもいそうでいないタイプの人でものすごく可愛い……読み終わった後数日陽子さんの可愛さを噛み締めてた。
物凄く好き勝手にふるまうんだけど、物凄く一途に牧子のこと好きなの。牧子は陽子さんの誘惑でいろいろなことから逸脱してゆく自分に恐怖を覚えるのですが、今読むと可愛いもんです。むしろ後半牧子が自分を省みて、父と対話できるようになるのは陽子さんと過ごした時間のおかげと思える。
ただ陽子さん、後半は飛ばしすぎて「マッポを撒くわよホホホホホ」みたいな展開になって最高です。もうお願いだから陽子さん変わらないでって思いながら読んでたし、陽子さんが変わらずにいられる世界を作りたいって思った。
軟派女学生の会話も硬派女学生の行動も活き活きと描かれて、細部に渡ってものすごく楽しい。当時の挿絵は高畠華宵で、とても美しくすべて見たいのですが、岡田あーみんが漫画化しても岩舘真理子が漫画化してもどちらもしっくりくるようなパワーに溢れた作品です。とにかく大好き!
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