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9月に読んだ本その2
ボルヘス『伝奇集』福武書店。
10代半ばに近所の書店で新刊で買った記憶がまだあるんですが、30年以上経て、帯は残っているけど古書独特の薄いシミが多数。一番最初の『トレーン、ウクバール、オルビス・ティルティウス』を読んだ瞬間に、購入した当初の「全然わからないよー!!」という気持ちを新鮮に思い出した。多分哲学用語とかにびびって挫折したと思われる。今回は架空の土地の架空の人々の架空の言語のあれやこれや、というところまでは分かったので、しばらくしたらまた再読します。
そうしてこの一編を越えたらあとは好きな世界が広がっているのだった。『円環の廃墟』と『八岐の園』と『死とコンパス』と『隠れた奇跡』が好きです。これらは比較的面白さがわかりやすい。
ボルヘスはいくらでも長編が描けるアイデアを短編の中に濃縮してぶち込んでくるので読み飛ばしてはならぬ、と襟を正しつつでもこんな面白いことを思いつく人に堅苦しく構える必要ないよね、という思いがある。本は待ってくれるしわからないものをわかるまで待つのも楽しい。(今年の前半ミロラド・パヴィチの『ハザール事典[女性版]を読み返して、以前の私がどれだけ読み飛ばしていたか判明したので。これも楽しい読書だった)

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