個人的な「マイナカード」への意見を述べます。
政府はマイナカード普及策として、紙の保険証の廃止、身分証としてのパスポート利用の停止、携帯回線契約でのマイナカード利用、マッチングアプリのロマンス詐欺防止のため積極的採用の働きかけ、など多数の施策を同時並行で進めている。
「はて?」と思うのである。
行政機関の役目は国民の人権を守ることだ(嘘だと思ったら芦部『憲法』を参照のこと)。マイナカード普及策も、国民の権利を守ることを目的とし、そこからブレイクダウンした施策が出てくるべきだ。
しかるにマイナカード普及の理由付けを見ると、保険証の悪用の防止、詐欺の防止など、管理強化ばかりだ。マイナ保険証により病院の窓口の手間はかえって増えている。
このほか「デジタル田園都市構想」ではマイナカードを使ったポイント制度により観光地のマーケティングに役立てる案が出ている。これも国民のためというより事業者のための施策だ。
「虎に翼」の登場人物である多岐川幸四郎ふうに言うなら、「マイナカードには、愛が足りん!」ということだと思います。ここで「愛」とは人々の権利を守る姿勢です。
私のマイナカードに対する意見は「人々を管理するためではなく、人々の権利を守るためのデジタル化の道筋を明らかにしてほしい」というものです。