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京都大学で2/13に開かれた公開セミナー「人文学の死――ガザのジェノサイドと近代500年のヨーロッパの植民地主義」発の記事。インタビューではなく学術イベントの概要なので、非常に読み応えがある。このような長文で掘り下げた記事はありがたい。

ドイツ言論の硬直化、バイアスを鋭く批判。歪曲も無視もせずに歴史と「向き合う」ことは難しいが、それを避けて通ることは「人文学の死」を意味する。

藤原氏は「シオニズムは、西欧植民地主義が結晶化したもの」と述べる。これはごく自然な議論に見えるのだが、今のドイツの状況ではこのような発言は強い非難に晒されるだろう。(同様に、私たちの側にも、カテキズム=思考の硬直化とバイアスはきっとある)

記事から離れた感想だが「あまりも巨大な問題を前に、人はうまく思考できない」ことを20世紀の偉大な哲学者らは繰り返し警告してきた(戸谷洋志『原子力の哲学』、集英社新書)。例えばジェノサイドや核兵器、原子力災害への思考はまだ足りていない。そこでハンス・ヨナスは「新しい倫理学が必要だ」と述べている。

ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景 京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史, 長周新聞, 2024年2月23日
chosyu-journal.jp/heiwa/29293

こちらが元講演の動画のようです。目を見開かされています。youtube.com/watch?v=ieAacjnjdy

「あまりにも巨大な問題を前に、人はうまく思考できない」。Brexit投票の際にそれを痛感しました。大きなBBCはさまざまな討論番組や解説番組をしていましたが、目をつぶって象をさわるアレで、結果的に感情論の闘いになって終わりました。

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