中国の哲学者、李沢厚は天安門事件の学生らを支持したことで知られる。1992年、米国に移住した。2021年に米国で死去したが、遺言に従いその脳が8万ドルの費用を支払い冷凍保存されていることが分かった。目的は復活のためではなく、自分の理論の検証のためだという。
下記は日本語の記事。Yahooニュースにも転載された。
中国人哲学者の脳、500年間凍結中, BANG Showbiz, 2024/02/15
https://nordot.app/1130934288475783253
この件に関して情報源をメモしておく。初出は下記の記事。翻訳ソフトの助けで読んでみる。
马群林, 李泽厚的“冷冻头颅遗嘱”已执行,人生最后震撼的感叹号, 學人Scholar, 2024-02-03
https://mp.weixin.qq.com/s/V0hgczYFO_KG33iC8JqEVw
"李沢厚と交流があった編集者の马群林(馬群林,)が、北京で李沢厚の夫人と息子に面会。息子から、遺言通り脳が冷凍保存されたことを知らされた。
李沢厚は生前のインタビューで「"私は墓碑銘を持たない。しかし、私の頭を未来に残して凍結し、300年か500年後に再び取り出すつもりだ」と語っていた。「私は、文化が脳に影響を与えるかどうかを証明しようとしている。(続く
「李沢厚の脳」の件で、South China Morning Postも記事を出した。
"晩年の李氏と親交があり、李氏の著書の編集者でもあった馬群林氏は今月初め、李氏の脳は遺言に従って 米国で凍結されたとメディアに語った。" "この暴露は先週、中国の知識人の間に波紋を呼び、多くの学者が李の型破りな遺志にショックを表明した。"
"「積澱」(Ji Dian)は1960年代に李が提唱した美学理論で、人が歴史や文化に触れることで、脳の物理的構造にその痕跡を残すことができると主張する。"
感想:
将来の脳科学で「哲学者の脳」を調べることは意味があるかもしれませんが、成果が出るかどうかは非常に不確かな話ではあります。ご本人もそこは納得の上だったようです。そしてアルコー財団は、不祥事の報道もありましたが、それでも米国在住の知識人にかなり食い込んでいるようです。
(用語の表記は翻訳ソフトの助けと推定に基づいています。中国語翻訳の専門家からの突っ込みを歓迎します)
数百年後、私の脳内に中国文化の名残が見つかるかどうかで、私の累積理論が証明される。もし(文化が脳に)影響があることが証明されれば、それは私のすべての著書を合わせたよりも大きな貢献だと思う」
「私は復活を望んでいるわけではないので、脳科学が進歩して研究が可能になるまで、できるだけ長く保存してほしいと思っているが、それができるかどうかはわからない。それはもう、空言ではなく、95パーセントは無理だと今は見積もっています」
下記のAlcor財団の公開名簿を見ると、2021年に "Zehou Li | Neuro"(李沢厚, 脳)とある。上記の証言を裏付ける資料だ。
●Complete List of Non-Confidential Cryopreserved Alcor Patients
https://www.alcor.org/complete-list-of-non-confidential-cryopreserved-alcor-patients/
(続く