岸田総理が「矯正社会と人権に関するシンポジウム」に寄せたビデオメッセージにサンケイグループが難癖を付けた。
2月5日の「共生社会と人権に関するシンポジウム」で、岸田総理は次のように述べた。
「しかし、残念ながら、我が国においては、雇用や入居などの場面やインターネット上において、外国人、障害のある人、アイヌの人々、性的マイノリティの人々などが不当な差別を受ける事案を耳にすることも少なくありません」
「マイノリティの方々に対して不当な差別的取扱いを行ったり、不当な差別的言動を行ったりすることは、当然、許されるものではありません」
ビデオメッセージ全文
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20240205message.html
日本に差別問題が残ることは周知の事実で、法務省人権擁護局も対策を取っている。人権に関するシンポジウムであるなら、この点に言及しない方が不自然だ。上記の言葉も通り一遍で、もっと聴く人の心を打つメッセージにしてほしかった。
これに対して、夕刊フジは、「テレビ番組でジャーナリストの有本香氏と、イスラム思想研究者の飯山陽氏が問題視した」ことを記事にした。『差別』という言葉を連発したことが「信じられない」のだそうだ。
https://www.zakzak.co.jp/article/20240208-MD7S3SCZMBJJZLHJI5T6RFUKO4/
(続く
@AkioHoshi あの反応はわたしもおかしく思いました。差別の除去は政府の義務ですからね。
夕刊フジは翌日も記事を出す。SNSでは「例外はあるものの、日本人ほど差別しない民族は居ない」「日本人を差別主義者のように貶めて」などとする発言が相次いだそうだ。そんなこともあるだろう。X/Twitterは差別扇動を「した者勝ち」の場となりつつあるのだから。
https://www.zakzak.co.jp/article/20240209-QZOEDWX6URKNXDQINSVEHYND64/
産経新聞も、"夕刊フジ"と同様の記事を出した。一応、記事末尾には「首相を擁護するコメントも一定数あった」と両論併記スタイルにしている点が差異化ポイントだが、首相発言をことさらに「問題」に仕立てる意図がある点では夕刊フジと変わらない。
https://www.sankei.com/article/20240209-OBSFVWGV3FEJJFT44PD6ZJ7TMY/
差別解消は政府の義務だ。首相の「差別」への言及を問題視する論調は、明白な反人権言説であり、「極右」に分類される。
反人権、反理性、反啓蒙の言説には、皆さんご注意を。