「ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)のマーク・アンドリーセンは「テクノ楽観主義者宣言」を発表し、規制のない資本主義の技術的カオスの未来を求める奇妙な加速主義哲学を推進している」
「彼らは、10代の頃に読んだSFやファンタジーの物語から得た発明を実現するために合わせて5兆ドル以上を費やしている。しかし、前世紀のSFやファンタジー作品には危険な前提が広く盛り込まれているため、これはとてつもなく悪いニュースである」
「SFはイデオロギー的なジャンルであり、それは新しいガジェットや発明以上のものである」
「ガーンズバックの雑誌のSFは、資本主義的成功というアメリカンドリームと、無批判な技術的解決主義、そしてフロンティア植民地主義を組み合わせたものを推進した。それは極右思想に広く門戸を開いていた」
「ガーンズバックのライバルであったジョン・W・キャンベル・ジュニアは人種差別主義者、性差別主義者、赤狩り主義者でもあった」
「ベストセラー作家のアイン・ランドは、彼女の哲学である客観主義と両立する唯一の社会システムは自由放任の資本主義であるとした。この哲学が今日の億万長者にとって魅力的であることは明らかだ」
(続く
「このジャンル(SF)は、先行するLLM(大規模言語モデル)により大きく汚染されたテキストを使用して訓練された新たなLLMのように動作する。ほとんどのSFは、その分野の歴史を反映する限りにおいて保守的であり、新境地を開拓したり、既成概念に疑問を投げかけたりすることはない」
感想:SFというジャンルそのものに跳ね返ってくる手痛い批評だが、価値がある言説だ。(なお元記事はテクノ富裕層の怪しい思想を批判する用語「TESCREAL」にも言及している)
SF作家は、少なくともSFファンが馴染んできた諸概念にイデオロギーが含まれていることには自覚的であるべきだろう。
そしてテクノ富裕層のSF的妄想には警戒を。