7日金曜日、全世界に突然伝えられたOpenAIのサム・アルトマンCEO解任劇は、19日日曜日の夜に「アルトマン復帰ならず」、20日にアルトマンのマイクロソフト入社の形で決着した。
非営利団体が創業者や投資家らに逆らう構図の、珍しい事件だ。
通常の企業役員解任劇は、利害の対立や不正に関わる場合が多い。だが米国報道を見ると今回は「AI倫理への姿勢の違い」が主因だったと思われる。解任劇を主導したイリヤ・サツケバーはAIの安全性を重視する側と考えられている。
解任劇では投資家や一部幹部を敵に回した。ビジネスへのダメージは避けられないだろう。それでもサツケバーらはAIの安全性を優先した。そこまでして守りたかったものは何か。当事者はまだ多くを語らない。
AIの安全性/危険性、あるいはAIアライメントがここまで大きな話題になったことはない。今後のOpenAIが打ち出す施策や、内部情報のリークには気を配りたい。