「ミッチェルはレンスキを、非一貫性と従属変数の間に介在すると思われる諸変数よりもむしろ地位の非一貫性に集中しているとして批判した。特に彼は、支配と従属の関係における逆転に言及するために『地位の不一致(incongruence)』という用語を保持した。非一貫性と不一致の区別はかなりストレートなものだ。不一致とは、(個人ないし集団)A がある状況では B に勝っているが、また別な状況ではそうではないということを言う形を取る関係的な現象である。他方で非一貫性は、不一致とは異なる配分的な現象である。それは、ある単一の個人ないし集団の非一貫性を語るのに、第2の個人ないし集団に明示的に言及しなくてもよく、ただ単に一連の軸上での位置を特定するだけでよいという点で、異なるのである。ミッチェルの提案は、不一致が社会的相互作用の観察可能な現象であって、非一貫性という離れた構造的条件よりも研究する価値があるというものである」pp.324-5.
<線形加算モデル>
「地位の非一貫性効果の存在を検証するために、2つのモデルが発展させられてきた。第1は線形加算モデルである…地位の非一貫性効果の検証として第2の提案されるべきモデルは、非線形加算モデルである」p.325.