Machonin, Paval. (1970) “Social Stratification in Contemporary Czechoslovakia,” American Journal of Sociology, Vol.75, No.5, pp. 725-41.

<Abstract>
「本稿は、1967年のチェコスロヴァキアにおける社会階層の拡張的な社会学的−統計的調査のいくつかの結果を示す。支配的な階層の問題は、次のような文化的変数群を用いることで解決される。すなわち、仕事の複雑性、教育、ライフスタイルである。分類学的な分析により、4つの主要な層と、3つの大きな非一貫グループが明らかになった。客観的な階層の予想外に高い『主観的』な表明は、研究のもう1つの発見である。社会階層のタイプとの関係の点からの初歩的な解釈により、次の結論が導かれた。すなわち、社会主義的・平等主義的・官僚的・テクノクラート的タイプの関係が、データを集めた時点での最も重要な役割を果たしていたということである」p.725.

「社会における地位成分[仕事の複雑性、ライフスタイル、教育、経営参画、階級的位置の5つ]の完全に一貫した転位(dislocation)[locationの誤りか?]パターンを持つ人は非常に少なく、それゆえ我々の標本でもそうだ(我々のケースではわずか149人の回答者)。5つのかなり一貫したパターンを除いて(標本にはパターン2, 2, 2, 2, 2はない)、1,764人もの多かれ少なかれ一貫しない人がいる」p.730.

「《一貫した中心の周りのクラスター》
 そういうわけで我々は、さらなるステップを取ることを望んだ。すなわち、『平均的』な層の内部構造に関わる最も単純な疑問、すなわち何が、我々がいくつかのクラスターの中心(核)と見なす一貫したパターンの周りの人々の集積であるのか、に答えたかった。かくして我々は、地位パターンの一貫性/非一貫性のタイポロジーを作りたい。この問題は、次の人々を区別することだ。すなわち、(1) さらにいくぶん大きく逸脱した人々と比べれば一貫していると見なされ得るような、一貫した中心から小さく逸脱した人々、(2)相対的に一貫ないし半一貫していると見なされ得る人々、(3) 顕著に一貫しないパターンを持つ人々、である」pp.730-1.

「まず初めに、一貫した中心から最大で√6ポイント離れたパターンの頻度を見つける課題をコンピューターに与えて、この距離が、非一貫・半一貫・一貫パターンを区別するのにふさわしいと見なす(5次元の中で、2ポイントの偏差は起こり得るが2ポイントを超える偏差はあり得ないような次元は1つあるだけだ)。しかしながら、√6かそれ以下の半径を持つ円は重なるので、2つの一貫した中心の距離の内にあるパターンは、そこから最も近い中心にのみ、はっきりと分類されねばならない。2つの中心の『重なり合う能力[? competence]』の場合には、距離は実際にはより短くなる(表2を見よ)」p.731.

「これらの事実から導出されるべき最も重要な発見は、調べられた標本のほぼ4分の3が、相対的に一貫または半一貫したグループ分けに入るということだ。我々の尺度の調整と包括性の程度については留保するものの、この事実は、1967年11月のチェコスロヴァキア社会が相対的に階層化された社会だったことを検証していると見なさなければならない」pp.731-2.

「コンピューターはもう1つの課題を与えられた。すなわち、恣意的なやり方で『最適』な中心のようなもの、すなわち、ある与えられた距離に対して、データの『自然』な構造に従ってクラスターを作ることができ、それによって原則的に、非一貫的なパターンさえも含む全てのパターンが分類されるようなものを、見つけるという課題である。…
 結果的に我々は、いくぶんより大きな距離を選ぶ。√12という距離が用いられた時に、最も明瞭な構造が現れた。それに含まれるパターンと『中心パターン』の間の差は、ある地位次元に対して最大で3ポイントを説明し得る。しかしながら、3つの次元に関して2ポイント異なるパターンや、2つの次元に関して2ポイント異なるパターンや、残りの3つの次元に関して1ポイント異なるパターンもまた、ここに属する。最も近い中心に対するパターンのはっきりした配置についてのルールにより、実際の距離はより小さくなるが、にもかかわらず我々は、距離が大きすぎる不利を克服するであろうもう1つの手続きを採用せねばならないだろう。図1では、理論的に興味深いか、あるいは比較的高い数ーー最小でもNの約5%ーーで占められたクラスターのみを描いている」pp.732-3.

「クラスターを象徴する中心は2つのグループに分かれた。第1のグループは相対的に一貫したグループ、すなわち別々の尺度に関する価値差が小さいグループであり、それは、仕事の複雑性尺度の主観的に引き起こされた不一致や、経営参画の異なる配分によって説明し得る。一貫性は相対的な意味でのみ言えることだ。というのも、経営参画における下方シフトはほとんどの場合に、本当に一貫性を減じているからだ。我々は4つの中心A, B, C, Dを、相対的に一貫したものと見なし、それらは標本の60%を表す。それらは我々の考えでは、社会的地位の一般的指標の6ポイントや、前述の一貫した中心の周りに形成される『層』に従った『平均的』層よりもはるかに正確に、現実の4つの階層の中心を表しているはずである。もしさらなる手続きによりこの前提が立証されるなら、A中心を持つグループはチェコスロヴァキア社会の上層、Bグループは中の上層、Cグループは中の下層、Dグループは下層と見ることができるかもしれない」pp.732-3.

「残りの中心に関しては、我々は非一貫グループを扱っていて、そこでは異なる次元における分岐した価値は尺度の不一致によって説明することはできない。図1は[Ⅰ, Ⅱ, Ⅲの]3つのグループが最大であることを示している。…
 これらに加えて、さらに8つの小グループの中心が見つかり、それらの全ては非一貫的な性質を有していた。…
 最も大きな不一致は所得の次元に見られ、それは、仕事の複雑性・教育・ライフスタイル・経営参画に比べて両方向に動いており、経営参画は常に下方に向いている」p.734.

「《最適な中心の周りのクラスター》
 我々がここで操作している距離はもちろん非常に大きいので、個々のクラスターの頻度を真に受けることはできない。それゆえ、コンピューターにはさらなる課題が与えられた。すなわち、√12の距離で安定化した中心の周りに√6の距離のクラスターを作ることである。√12の距離で見つかった7つ全ての最も頻度の高い中心は(図1を見よ)、その周りにクラスターが√6の距離で作られる基礎と解釈された。このようにして回答者の92.1%が分類されたが、それは一貫した中心の周りに分類された人よりも多かった。ここまでのこれらの中心は、標本の『自然』な構造に最も近似したものを表す。その結果として我々は、それを基礎的なものとして操作したい。しかしながら、グループCの内的構造はかなりルーズで、グループⅢの意義をより正確に立証する必要があることに留意したい」p.734.

「頻度は次のように分配される。すなわち、Aは4.7%、Bは12.9%、Cは23.4%、Dは28.4%、Ⅰは8.9%、Ⅱは9.3%、Ⅲは4.6%で、分類されない残りは7.9%[←先の92.1%]である(それらは図1では括弧の中に与えてある)。標本のうちの大きな割合、79.4%は相対的一貫した構成に入る。…
 経営参画の一般的な下方シフトと、グループCにおける所得の部分的なアノマリーを除けば、1967年のチェコスロヴァキア社会を階層化された社会であると、すなわち、調査された圧倒的多数に対して社会的地位のある量の一貫性を有している社会であると言うことは可能だ。
 現在の発見が、全研究におけるクラスターの大規模な再導入により立証されねばならないという留保を置きつつ、我々は大部分の世帯主が4つの階層に入ると言うことができる。そして、それらの特徴のラフで初歩的な図(他の変数との組合せの助けを借りてクラスターを同定するという第1ステップにより少し強化された図)を描いてみよう」pp.734-5.

「層A(4.7%)は非常に一貫した層で、第2ないし大学教育を受けた一般には専門的雇用者、かなり複雑で多様化した知的労働を行ない、余暇には高度に文化的な生活様式を持ち、非常にしばしば大都市に住み、平均的には我々の尺度で第2ポイントの、すなわち他のどのグループよりもはるかに高い経営参画をしていて…2,250チェコスロヴァキア・コルナを超える所得中央値を持つ人々を含む。一般的地位指標の中央値は約1.6である。
 層B(12.9%)はわずかにのみ一貫した層で、第2教育を受け、大部分は複雑だが標準化された知的労働を行ない、専門的雇用者でもあり、平均以上の文化的な生活様式を持ち、都市に住み、経営参画は平均的で、所得中央値は約2,000チェコスロヴァキア・コルナの人々から成る。一般的地位指標の中央値は約2.8である」p.735.

「層C(23.4%)は中位に一貫した層で、若年・中年の人々、熟練ないし半熟練労働者を含み、しはしば中規模の都市に住み、大部分は初等教育止まりで徒弟の経験があり、訓練ないし徒弟制が必要な単純肉体労働を行ない、平均的な文化レベルのライフスタイルで、支配ヒエラルキーの中の最も低い段階か、または工場やコミュニティの職員として経営参画し、約1,750チェコスロヴァキア・コルナの中程度の賃金、すなわち仕事や教育の平均的な複雑さに比して少し高い賃金を得ている。一般的地位指標の中央値は約4.2である。
 層D(28.4%)は非常に一貫した層で、年長の人々、農業労働者、協同組合の農民、部分的には半熟練労働者そして農場の個人経営者を含み、村や小さな都市に住み、最も単純な肉体労働を行ない、せいぜい初等教育だけで、実践的には経営参画しておらず、所得中央値はせいぜい1,250チェコスロヴァキア・コルナである。一般的地位指標の中央値は約5.3である」pp.735-6.

「しかしながらチェコスロヴァキア社会の階層は、あまり歯切れのいいものではない。経営参画の[下方]シフトと、層Cの相対的には不釣り合いに高い所得を除けば、社会階層の歯切れのいい性質は、典型的な非一貫的地位を持つ多くの人々の存在(7.9%)によって損なわれる。彼らは、語の正しい意味では層と見なし得ない非一貫的性質を持つ2〜3の典型的なより大きいグループの存在により、いかなるより大きな社会集団も作らない。
 グループⅠ(約8.9%)は非常に非一貫的で、半熟練ないし時には熟練の工業労働者を含み、小さな都市出身で、単純な肉体労働で働き、初等教育止まりか、あるいは初等教育を終わらせることなく徒弟となり、経営参画率は最も低く、余暇には平均以下の文化的レベルの生活様式を持つ。だが、所得中央値は2,000から2,500コルナの間である。それは非常に興味深いグループで、どういうわけか、資格や経営参画には見合わない報酬を社会から得ている。すなわち、それだけもらっておきながら、余暇には期待される文化的な生活様式では所得を使わないグループなのである」p.736.

フォロー

「グループⅡ(約9.3%)は中位の非一貫層であり、圧倒的に専門的雇用者や大都市で暮らす事務員で、比較的単純な種類の知的労働の資格を有し、職業教育はより低いが、教育レベルに相当する平均的ライフスタイルよりわずかに上である。他の大多数の中位グループと同様に彼らもまた、ヒエラルキーのより低い段階で経営参画している。とりわけ、彼らの報酬は教育レベル相当よりもはるかに低いが(平均して約1,300コルナ)、にもかかわらず余暇活動レベルは平均以上である。
 グループⅢ(約4.6%)は非常に非一貫的で、熟練ないし半熟練労働者のグループで、大都市に住み、経営の最下層レベルで単純な熟練労働を行ない、所得は異常に高く(平均して2,500コルナ以上)、その余暇活動は非常に文化的であるーー職業・資格・経営参画においては下層ミドル層で、消費においては上層ミドル層である」p.736.

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