ビヨンセがまたもグラミー賞でアルバム賞を獲れなかった。
一方、アルバム賞を獲ったハリースタイルズは、 “this doesn’t happen to people like me very often”とスピーチして炎上。これはアイドルとしてデビューした人間がこのような賞を獲るのは難しいと言いたかったのだろうと考察される。
しかし、アイドル出身白人男性以上に、黒人や黒人女性、非英語圏、クィアなど、賞を獲れない人々はいる。さらに、グラミー賞は有色人種や女性、クィアが正当に評価されていないとずっと議論になっていたにも関わらず、白人である人が“this doesn’t happen to people like me very often”。
ハリースタイルズがゲイ映画で主演を演じた際のインタビューで、
"So much of gay sex in film is two guys going at it, and it kind of removes the tenderness from it,"
“It’s not like ‘This is a gay story about these guys being gay.’ It’s about love and about wasted time to me.”と言った際も炎上。
ハリースタイルズが何か言うたびに炎上しているのは人気の証でもあり、彼がクィアコミュニティをサポートしつつも、クィア性や白人特権に向きあっていないような発言をしてしまうから。
カミングアウトしていないので、彼がシスジェンダーなのかヘテロなのかは分からないが、カミングアウトしない限りは“白人シス男性特権”があるまま。
他にもノンバイナリーファッション特集で表紙を飾ったりしている。雑誌側が悪いのかもしれないが引き受けるハリーは一体何なのか。(カミングアウトするしないは置いておいて)これまで議論されていることにハリーは声明を出さずに黙ったまま。そこはアイドルのままなのかと思う。
肯定的?擁護的?な意見を調べると、ハリーはイギリスの田舎の貧しい町の出身。学校を諦めてオーディション番組に出演した。ハリーの出身地域では音楽なんて出来なかった。という理由がpeople like me の意味であると。他にもこんなに素晴らしい人々よりも自分が受賞してしまったという意味。まだ彼は子ども時代を引きずっているなどがあった。アイドル出身であることに関しては、グラミーの選考員がハリーはただのアイドルだから評価しないみたいな発言をしていた。これまでにノミネートしたことはあるが賞を獲れていない。などもある。
彼のことをこの発言だけでレイシストや特権に無自覚だと決めつけるのはよくない。
しかし、彼がこの言葉の真意を説明しないだろうとみんな分かっているのでwhat?みたいに煽る形になっているのかと。
またアメリカでは全て人種やセクシャリティ(アイデンティティ)に繋げるのかとアメリカを批判するのもある。イギリスとアメリカは違うとかもある。
でも、アデルがビヨンセを押さえて勝った時のスピーチは…みたいに思う面もある。
あとは同じアイドルのBTSはアジア系・非英語圏を理由にいつになっても受賞できないと言われているので、ハリーはpeople like meの中でも特権的だと。
そもそも、グラミー賞の選考の偏りが指摘されていて、少しずつ良くなっていっているのではないかと思われていたところに、またもやビヨンセが最多賞を獲得するも主要な賞を逃したことが大きい。そして白人(男性)による”this doesn’t happen to people like me very often“という発言。
私は日本にいる限り人種面ではマジョリティだし、黒人に対する差別の歴史や文化(特にアメリカ)を学んでいる途中でもあるので、私からハリーのことをレイシストだと思ったりこの件に関して真意がわからない中、批判する立場には無いと思う。
でもこの発言の真意はともかく、批判があることには向き合って欲しいと思う。そしてインタビューかSNSかどこかでハリーには説明をして欲しいなと思う。意図しなくても場や時期によっては傷つく人がいるし、実際に相当なバッククラッシュを引き起こしたのではないかな。