抜粋。なかなか舌鋒鋭い。膝を打つところあり。
>
日本国憲法は、比較憲法という観点からしてもすぐれた、充実した内容をもっていると私は考えるし、それは、内外の研究者も認めるところである。この憲法の草案は、アメリカがまだその理想主義をかなりの程度に保っていた時代にアメリカ側の理想主義者が知恵を集めて起案したものであり、その意味で、アメリカの占領政策の恣意的側面からの影響はほぼ免れている。内容も、「もう戦争はいやだ。もっと自由な国であってほしい」という当時の日本市民、国民一般の切実な希望、期待をよく汲み取ったものであり、押し付けというのはあたらない。
(中略)
デンマークの国会議員の年収は大卒者の平均レヴェルだが、政治はクリーンで、汚職もないという(ケンジ・ステファン・スズキ『消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし』〔角川SSC新書〕)。数ばかり多く、高給を食(は)み、特権を振りかざすが、法を軽んじ、汚い金まみれで、教養識見にもヴィジョンにも乏しく、社会のために役立っているのかきわめて疑問な人々がかなりいるという、どこかの「先進国」の議員たちとは、相当に異なるようだ。