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大山誠一郎「仮面幻双曲」(小学館文庫)を読んだ。

shogakukan.co.jp/books/0940726

戦後間もない昭和22年。私立探偵の川宮兄妹は、依頼を受けて滋賀県の双竜町に赴く。
依頼主は地元随一の製糸会社を営む占部家の先代社長夫人。専務の武彦が双子の兄である現社長の文彦に恨みを抱き、殺害を目論む。武彦は女子工員の小夜子に恋をしていたが、彼女は町中に中傷の手紙がばらまかれたことを苦に自殺。兄の仕業だと思い込んだ武彦は姿をくらまし、整形手術を受けて双竜町に戻っている。
川宮兄妹の使命は武彦を探し出し文彦の命を守ること。しかし、琵琶湖のほとりに建つ巨大な洋館に招かれ、寝ずの番にあたった矢先、文彦は惨殺されてしまう
(あらすじから一部引用)

まぁまぁ面白かった。
大胆に盲点を突いてくるミスリードなどを応用したトリッキーな作品の印象。所謂解決編までの舞台を整える部分が長く、その割には真犯人の動機などの弱さで中々真に迫らない印象。

このトリックを使用したい為の科学捜査の発展していない戦後間もない時代背景と感じられる部分もあるが、少し時代背景に似合わない描写なども出てきて少しの不自然さを感じた部分もあった。
最終的なトリック部分は論理的で良かったので、少し惜しい作品だなと思う。

 

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