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横溝正史「貸しボート十三号」(角川文庫)を読んだ。

kadokawa.co.jp/product/3221110

白昼の隅田川に漂う一艘の貸しボート。中を見た人々は一斉に悲鳴を上げた。そこには首を途中まで挽き切られ、血まみれになって横たわる、男女の惨死体があったのだ。
名探偵・金田一耕助による聞き込みで、事件直前に、金ぶち眼鏡をかけ、鼻ひげを蓄えた中年紳士がボートを借りたことが判明。謎の人物を追って捜査が開始されたが、事件は意外な方向に……。
(あらすじから引用)

面白かった。
中・短編3つで構成された金田一耕助シリーズ。それぞれの事件のきっかけとなる死体が不可解な状況で発見され痴情のもつれが渦巻く最中で事件が発生したのが印象的でした。

どれも金田一の最早超能力としか思えない卓越とした推理力で綺麗にまとまっているのが良かったです。物理的な証拠というよりは、どれもアリバイや人間関係などから類推しての推理だったため話が進むにつれて真相にしっかり近づいているのも読みやすくて⭕️

等々力警部や磯川警部なども登場し、読みやすく中・短編で金田一シリーズとして分かりやすかったように思える。
ただ長編のように突発とした展開が連続していないので、その点で退屈になる人がいるのも分かる。

 

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