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鈴森琴「忘却城 炎龍の宝玉」(創元推理文庫)を読んだ。

tsogen.co.jp/sp/isbn/978448852

死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾を開くために買ったのは札付きの幽霊屋敷で、引っ越し早々怪奇現象が起きていた。そんな折、瀕死の炎龍が飛来し、王都は大混乱に。王国にとって炎龍は至高の存在。急遽、龍語を解する界人の儒艮が通訳に指名される。彼は大切な家族となった金魚小僧のため、ある目的を胸に、引き受けるが……。
(あらすじから引用)

忘却城シリーズの三作目、今作は儒艮と金魚小僧の物語。相変わらずの重厚な世界観はもちろんのこと、表題にもある通り"炎龍"という要素が登場し一巻とはまた違ったテイストで金魚小僧が生者として成長していき愛を知る過程が良かったですね。

死者と共生する世界で家を通して家族となる暖かい展開や、金魚小僧の出生に纏わる部分がミステリ調に鬱々としていたりと、様々な温度感で語られるも、最後には幸せな形で物語が終えられていたのが個人的には好印象🎯

最初から最後まで金魚小僧の成長物語で「家族」というテーマとして描かれており、とても良かったです。次巻は出るかなぁ……(3年経過)

 

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