TIFFで『大丈夫と約束して』観た。
働き口もほとんどないようなスロバキアの田舎の村で、学校をサボって友だちとモペットを乗り回したり盗みをしたりしている思春期の少年が主人公の話。
結構ハイコンテクストな部分も多かったり、ふわ〜っと進んでいくので観てて眠くはなるけど、その遅さに意味がある感じ。これを撮る前に監督がロケ地でドキュメンタリーを撮影していたからか、ロケーションの選び方がめちゃくちゃいい。あと、作中で流れるスロバキアのヒップホップが全体的にいなたい感じなのもよかった。
何より、主人公を演じた俳優の顔つきがすごい良くて、それだけで映画が成立している部分もあるんだけど、プロの俳優じゃなくて監督が見つけてきた地元の子らしくて、いるところにはいるんですねぇってなった。
『SUPER HAPPY FOREVER』伊東か熱海?が舞台なんだけどめちゃくちゃフランスのバカンス映画ぽい。
フィクションに出てくる奇跡みたいな夜はそれだけでグッと来るものがあるけど、その前フリとしてクソみたいな夜があるので更に引き立ってた。
妻の凪が死んで傷心の主人公を中心としたパート(2023年設定)の後に主人公と凪の出会いを描くパート(2018年設定)が続くという構成になっているんだけど、凪のちょっとした仕草とか話し方とかが本当に魅力的で尋常じゃなくかわいい。かわいいくてテンションが上がると同時に「でも死んでるんだよなぁ……」となる。
凪の不在だけでなく、5年の間に失われたものがずっと背後にある感じなのが良かった。
あと、撮影場所に元からあるものを活かした映像ギミックの使い方がおもしろかった。
シャマランがどういう意図でその作品を撮ったかって、インタビュー見るとわりとそのまま言っちゃってる気がしてるんだけど、単純にこれ状態の可能性もある
https://tenor.com/view/calculation-math-hangover-allen-zach-galifianakis-gif-6219070