『メイ・ディセンバー』デジタルぽいエッジの立ち方はしてるのに、フィルムぽい粒子感あるし、明るいところはめちゃくちゃぼやっとソフトフォーカスかかってるし、なんやこの映像の質感〜と思いながら見てたんだけど、デジタル撮影の映像にフィルターかけたりした後でフィルムにプリントしているとのこと
https://thefilmstage.com/christopher-blauvelt-on-may-december-formatting-for-netflix-and-35mm-and-life-lessons-from-harris-savides/
『HOW TO BLOW UP』それぞれに事情を抱える環境活動家たちが石油パイプラインを爆破する話。
メインのストーリーラインとして、パイプライン爆破計画の実行が描かれつつ、合間合間に各メンバーが計画に携わることになった経緯が回想で描かれるという構成。
テキサスの砂漠の空き家にメンバーたちが向かうところから映画が始まるんですが、なんていうか「失敗しそう」感がすごいんですよね。各々のバックグラウンドも違うし、昔からの友人や恋人関係で仲いい人もいれば初対面同士の人もいるし、計画に対してのモチベーションも全然違うので、いつ空中分解してもおかしくなさそうというか。計画の当日と前日以外で一緒の場所にいるシーンもほぼなかった気がする。
あと、パイプラインをそのまま爆破してしまうと石油がこぼれて環境を破壊してしまうので、こぼれないように爆破するという縛りを自らに課していてそれによって難易度がすごく上がっているんですよね。
なので最後まで、計画が成功するのかという緊張感が続いてすごくハラハラしました。
あと、そもそも自分はこの計画が成功したら嬉しいのか失敗したら嬉しいのかどちらとも言えない感じとか、過剰にエモくなりすぎないようにとか、全体的な印象として、バランスの取り方がすごくうまいなと思った。
『クワイエット・プレイス DAY 1』タイトルの通り「音を立てたら殺す星人」が地球にやってきたときの話。
普段は郊外のホスピスで生活しているサムとセラピー猫のフロドが、余暇活動でマンハッタンに来たタイミングでエイリアンが降ってきてというというのが冒頭の展開。米軍はマンハッタンの橋を落とすことでエイリアンを閉じ込めようとします。
で、普通のお話であれば生き延びて島外に脱出するというのが目的になると思うのですが、ルピタ・ニョンゴ演じるサムは末期のがん患者なので、生き延びるモチベーションがほぼないわけです。
じゃあサムが今は死ねない理由が何なのかというと、マンハッタンでピザを食べたいからなんですよね。
想定していた人生の可能性がいきなり絶たれしまうというままならなさとか、死が眼前に迫った人間の願いの切実さみたいなものが溢れていてとても良かったです。
あと、途中からサムとフロドに合流するエリック(ジョセフ・クイン)がほとんどバックグラウンドが語られないけれど魅力的なキャラな上に、スクリームクイーンとしてしっかり仕事してました。
子どもの声の大きさが迷惑になるみたいな経験から出発しているシリーズの前日譚が、個人的な経験にフォーカスした物語になっているのも、出産と死で対になっているのもいいですね。