『クワイエット・プレイス DAY 1』タイトルの通り「音を立てたら殺す星人」が地球にやってきたときの話。
普段は郊外のホスピスで生活しているサムとセラピー猫のフロドが、余暇活動でマンハッタンに来たタイミングでエイリアンが降ってきてというというのが冒頭の展開。米軍はマンハッタンの橋を落とすことでエイリアンを閉じ込めようとします。
で、普通のお話であれば生き延びて島外に脱出するというのが目的になると思うのですが、ルピタ・ニョンゴ演じるサムは末期のがん患者なので、生き延びるモチベーションがほぼないわけです。
じゃあサムが今は死ねない理由が何なのかというと、マンハッタンでピザを食べたいからなんですよね。
想定していた人生の可能性がいきなり絶たれしまうというままならなさとか、死が眼前に迫った人間の願いの切実さみたいなものが溢れていてとても良かったです。
あと、途中からサムとフロドに合流するエリック(ジョセフ・クイン)がほとんどバックグラウンドが語られないけれど魅力的なキャラな上に、スクリームクイーンとしてしっかり仕事してました。
子どもの声の大きさが迷惑になるみたいな経験から出発しているシリーズの前日譚が、個人的な経験にフォーカスした物語になっているのも、出産と死で対になっているのもいいですね。