『Problemista』元SNLのライターでありコメディアンのフリオ・トレスの監督デビュー作(主演・脚本・製作も兼)。
ハズブロの玩具デザイナーになる夢を叶えるためにエルサルバドルからアメリカにやってきた青年・アレハンドロが、就労ビザのために変わり者の美術評論家・エリザベス(ティルダ・スウィントン)の助手をすることになり、冷凍保存されているエリザベスの夫の個展を開くために奔走するという話。
移民としてアメリカでクリエイティブな職につくことの大変さとか、遭遇する出来事の理不尽さとかは現実にあり得ることばかりで、おそらくは本人の経験に基づいているんだと思うけど、その一方でビザ申請費用の現金を稼ぐための仕事選びとかエリザベスとのせめぎあいはファンタジーチックなメタファーで描かれていて、そこの描き分けがおもしろかった。
エリザベスは言う事コロコロ変わるしこだわりが多いし理不尽な要求をしてくるしめちゃくちゃエキセントリックな人ではあるんだけど、でもこういう人いるよなぁというバランスで描かれていて、特に「iPhoneのライトが常についてる」というキャラ描写が好きでした。