『RHEINGOLD ラインゴールド』ドイツで活動するクルド人ラッパー・プロデューサーのカターの半生を描いた伝記映画。ファティ・アキン監督。
ラッパーの立身出世を描いた話って、苦境に立たされている人物がヒップホップという手段に出会って自身の境遇と戦いながら音楽活動に打ち込み名声を得ていくという流れのものが多い印象だけれども、本作はその型とはちょっと違いました。
カターの両親が著名な音楽家ということもあって、子どものときにピアノを習っていたりと生活の中で音楽との関わりは多いんだけれども、作中ではちゃんとした曲作りのエピソードは2つくらいしかありません。というのもカターはどちらかといえばミュージシャンよりもDr. dreのようなプロデューサーを目指していて、また音楽をメイクマニーの手段として見ている節もあるんですよね。なので、曲作りの描写が少ない分、レーベルを立ち上げてプロデューサーとして成功しようとするカターがその資金を得ようとして徐々に首をしめられている様子がメインとなっているわけです。