『雪山の絆』
1972年に起きたウルグアイ空軍機571便遭難事故を題材にしたJ・A・バヨナの新作。143分というやや長めの(とはいえ近年では標準的かもしれない)上映時間でありながら、登場人物の紹介も早々に飛行機が雪山に突っ込むので、その後の地獄のような日々の長さが際立つ。あと、墜落シーンの「ものすごい勢いで人体が押しつぶされてる様子」が映像表現キレキレで見てるだけで痛かった。
真冬の雪山で、食料もなく、捜索も来るかわからないという絶望的な状況なのに、皆で詩を発表しあったり、写真を撮ったり、ようやく救援が来るとなったときに身だしなみを整えたりとか、そういう人としての尊厳を守るための知性の輝きの尊さを感じるシーンがとてもよかった。