日本人は、皆んな「優しさ」という真綿で首を絞められて、窒息寸前なんだよ。お互いに良かれと思って、そうやってきたんだけど。

で、そこで、優しさを拒否したいってのは分からなくもないけど、何を勘違いしちゃうのか、「厳しさ」を求めて、戸塚ヨットスクールとか、戦争とかに惹かれちゃうんだけど。

本当の「厳しさ」とか「強さ」とか言うのは、上からしごかれたり集団で勇敢さにのぼせ上がることではなくて、1人で孤立してしまう恐怖と闘って、ちゃんと自分の頭で考えて、自分の言葉で語って、自分から人に呼びかけたり、人を求めることなんだよ（孤高の人になるのではなく）。相手の意思を尊重しながら、拒絶されたり孤立したりする恐怖と闘って。

人間にとって一番怖いのは、「自分とは違う」他者だから。「優しさ」はその自他の差異を曖昧にして、何となく融合させて安心させる力があるけれど、そのために皆が「自分を見失う」危険性がある。自分と違う他者がいない（皆んな仲良くの）世界は安心だけど、「自分」の窒息死を意味するから。