そういえば昔の知り合いで、働いたり働かなかったりでプラプラして、自分ひとり生きてくのがやっとなのに大型犬の子犬を分割払いで買った人がいた。大型犬なのに猫かわいがりで躾しないもんだから手の付けられない暴れん坊に育って、犬を見に来てと言われて訪ねたら、いきなり玄関先で飛びかかってこられた。飼い主は呑気なもんで「お客さんが来たから嬉しいんだよ」と笑って制止もしてくれず、ダメだこりゃと思って以降は誘われても行かなかった。
で、しばらくしたら「お金がなくてフィラリアの薬を買えないから散歩に行けない」とか言い出した。犬への愛はあるけどお金がないから仕方ないというのは、傍から見たらおかしい。そういう話を聞いてしまったら相槌だけ打ってるわけにもいかないので行きがかり上、偉そうに説教しちゃって気分が悪かった。
その後、その知り合いとは会わなくなり、たまに共通の知人から近況を聞く程度になった。犬は晩年に癌になり、治療費はどうにかして工面したらしく、最期まできちんと面倒みたとのことだった。
大型犬つながりだと、子犬もらってきて小さいうちは可愛がってたのに大きくなったら飽きて「世話するのをやめた」という知り合いもいた。この人は実家暮らしだったから代わりに親が世話することになり、親に丸投げできる算段があったから安心して飼育放棄できたんだろうけど、こういうのはマシなケースのような気がする。
これは前に書いた気もするけど、大型犬を飼いたいという人を止めた件。今まで生き物の世話をしたことがないのに、いきなり「大型犬が欲しい」と言い出した知人。理由を訊いたら「癒されたいから」。そりゃ誰だって最初は初心者だけど、理由が「癒されたい」ってだけでもうダメだと思い、買ってきたら自動的に言いなりになるようなものではないこと、ものすごくお金がかかること、病気になったり介護が必要になったりすることなどを掻い摘んで話したら、すぐウンザリしてくれたのでよかった。
生き物を癒しグッズのように買うのは本当にダメ。
大型犬を飼うのは（一時期、日本でも流行りましたよね。あの頃、私はラブラドールのおそらくは雑種の子犬が捨ててあるのを2匹拾ってしまって往生しました）本当に勇気が要ると思います。勇気と…何よりお金が要る。😆
変な話、動物は体重が多ければ多いほど病気になった時の世話も亡くなった時のダメージも大きい気が私はします。例えば3キロの子よりも6キロの子の方が諸々キツい。何と言うか肉塊としての生々しさが違う気がする…不謹慎な言い方ですが。（勿論どんなに小さくても失った時の悲しみが同じなのはそうなんだけど）
「癒されたいから」がダメなのは、極端に言えば子どもにそれを求める親についてが一番わかり易い。その場合、思い通りにならないとネグレクトをはじめ様々な虐待が起きやすい。
そしてそう言うことになる場合、往往にして本人が親からそう育てられている。だから、メンタルの不具合などがあるような人の場合、そう言う結果に至りやすいのも残念ながらまた事実だったりもする（私の場合も含めて）。
で、さっき書いたように擁護施設の子どもの中にそのようなパターンの子は少なくないし、兄弟で入っている子もいる。
でも、でも…とも思うんです。それは誰にも止める権利はないと。良いじゃんと。
動物病院でワクチンの料金表を見ると、猫は体重に関わらず約6000円均一。犬は体重によって細かく値段が分かれていて、一番高いのは5～6万。避妊・去勢手術も体重が重いほど高額で、そういった一部分を見るだけでも生半可な覚悟では養えないと思わされますね。飼いたいのであれば最低限このくらいは調べて、知れば欲しい気持ちが萎えることもあるかも。
癒され目的がダメというのは、まさにそういうことなのでしょうね。正直そこまでは明確に認識できておらず、「癒されたいから」に対しては「癒されなかったらどうするの？ぬいぐるみじゃないんだよ？うんこは臭いし」くらいのことしか相手に言ってなかったかもしれないです。
たいてい、そう言う人は想像力がイマイチだったりするので、自分で調べてシミュレーションするのは役に立ちそうですね。
全然違う話だけど、就職について夢見がちな人には、止めたり説教したりするよりは、「どうぞどうぞ」「是非是非」と、チャレンジしてみてもらうのが一番早かったりするなぁと言うのは思います。止めると私のせいにされるので。もちろん何にチャレンジするのも本人の自由、権利ですし。失敗して痛い目をみたり、失敗する前に怖くなって怖気づいたりする体験をするのも、すべての人に与えられた権利ですから。
ただ生き物を飼うのは「やってみる」わけにはいかないので、やはり脳内シミュレーションですね。
