多くの人が指摘されているように、今の日本で(世界で)起きているのは、酷い虐待が、DVが、行われている家族で起きていることと同じだと私も思う。
そこを何とかサバイブするために何よりも必要なのは、希望を失わないこと。虐待者はこれでもかと自らの絶望を私たちに刷り込んでこようとするけれど、そこで魂を明け渡さないこと。
絶望の果てに私たちを待つものは、正気の放棄…つまり狂気(現実検討能力の喪失)ですよ。実際にそれに魂を売り渡した連中がどのくらい正気を失っているかを見れば一目瞭然、誰にでもわかるとは思うけど。人間、そうなっちゃった方が楽なんですけどね。
だから、現実を見失わないように、私たちは常に、どんなにつらい現実でも、その現実から目を背けないように、正気を保つように気をつけなければならない。
『1984』のウィンストン・スミスのように。
そしてここには、ある種のパラドックスがある。「最後まで諦めずに希望を持ち続けるには、きちんと絶望し続ける力が求められる」というパラドックス。
私たちは現実の「これでもか」というほどの絶望から目を背けてはいけない。
これは個人の心理療法をしていても常に私が痛感していること。その人の絶望から目を背けてしまうことは、現にその人が直面している絶望に飲み込まれること。