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【ほぼ百字小説】(5376) 坂の途中に住んでいるから、坂の上の劇場からは自転車を漕がずに帰宅する。いつもそうしている。なのに、坂を登って劇場まで行く記憶は、自分の中のどこにもない。この坂、あの劇場の舞台の上に作られた坂なのかも。

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