東京藝大の同窓会の会報誌が届いてて、坂本龍一追悼特集が組まれてた。
会報誌ってこともあり、追悼文も学生時代を知る人(高校からの同級生とか、同門の後輩とか、母親同士が友人とか)によるもので、高校〜大学時代のエピソードや思い出話が書かれてて面白かったー。
当時楽譜の初見演奏は苦手で耳コピ重視だったとか、売店のおばちゃんが大好きでよく話をしていたとか、作曲の課題は近所の卓球場に通いながら進めたとか。
中でも師事していた松本民之助に関わるエピソードが多くて(師弟関係の話が自然のものとして出てくるの、音大の会報誌って感じだ…)、テレビで見た教授の発言がレッスンでの師匠の発言と同じだったなど、学生・門下生としての坂本龍一みたいな面が書かれてた。
あと追悼文の中では母親の話題の方が父親よりも多く書かれてたのもちょっと印象的だった。父親との関係性で語られるものをいくつか読んだ(細野さんの追悼文とかもそうだったし)けど、共に学生時代を過ごした人にとっては、彼の母親の記憶の方が大きかったのかもなと思ったり。
もしかしたら、教授の熱心なファンにはどれも既出の話なのかもだけど、僕にとっては今まで知らなかった坂本龍一像が描かれていて、自分が音楽家を見る・考えるときにまだまだステレオタイプを持ってるなと気づかせられました。
会報誌の巻末のほうに、亡くなられた会員の名前が書かれたページがあるのだけど、そこにも坂本龍一の名前があって、著名な音楽家として且つ同窓生の1人として扱われている感じがあったのも印象的だった(勝手に僕が深読みしただけなのだけど…)。
あと、三宅悠太さんによる浦田健次郎追悼文と、安良岡章夫先生の野田暉行追悼文が、ちょっと泣けてよかった。