往生際の意味を知れ! の感想
1巻は日和の底の知れなさやばいな……って感じだったんだけど、2巻あたりから日和が抑圧された家庭にいた子にありがちな振る舞いをめちゃくちゃやってることに気がつき、いや〜それはそうなるよな〜ってなった。
市松くんは一緒にいたいけど日和は一緒にいると傷つけるから離れたくて、でも市松くんが失いたくないから離れようとすると、日和は近づいてくるんだよね……綱引きしてるみたいに両者しっかり立ててるときがない。どっちかが引っ張って引きずられてギリギリ成り立ってるような……好きって気持ちだけで一緒にいようってなれたらどんなにいいか、って感じだよね。そういうの好き。
母の由紀さんと日和ってめちゃくちゃ似てるとこたくさんある。その呪縛から逃れようともがいても逃れきれずに苦しんで、すべて悔やみはじめた日和に市松くんが「全部捨てていい」って言ったのめちゃくちゃすごかったな。
母に復讐したあとも人生は続くし、自分の子を見て母のことを嫌でも考えることになる。だから出産を成すことで全部終わらせてただの日和になっていいって、好きな人が言ってくれるの、きっと解放の証だったよな。想うからこそ手を離すっていう構図が好きなので、よかった。