福田村事件、感想を書こうとすると、どこから語っていいけわからないんだけど、もう引退だろって思ってた佐伯俊道がいい仕事しててびっくらこいたことと、音楽がなんと鈴木慶一だったことと、(まあ予想外ではないが)企画が荒井晴彦だったってことは、喜ぶべきか悲しむべきか。 70代のジジイに作ってもらってていいのか…これを作れる若い力はないのか…森監督だって私よりお兄さん…
もう脚本の導入から超手堅いわけですよ。スッゲーお手本のような脚本に演出…とか思って見てたらこんな人たちでしたよ。
淡々と登場人物の日常が描かれ、その「今」を描くことで彼らの過去や、これから起きんとしている未来が浮かび上がってくるわけで
不気味な事件が起こる前から村には予兆のような出来事があり、その出来事についての噂が事件を引き起こす…まるで魔女狩りや吸血鬼事件の物語と同じ構図。でもそれが実際の事件に基づいていることを知ってる彼不気味さが増す。
そして現実の自分たちの日常が、薄気味悪く重なるところがトドメの一撃。
差別の二重、三重構造、四重構造もすごいし。
ジェンダー、江戸時代から無思考で引き継いだ身分制度、帝国主義時代の新しい差別。
SNS時代の流言飛語の危険が取り沙汰されるけど、違いは一つではないことを知ることができない無知の時代もまた怖い。