かぐや姫の物語、全部知った上で観るとどのシーンも辛いけれど、それでも大好きな映画。
まず、かぐや姫の赤ちゃん時代に、翁が惜しみなく愛情を注いでいる場面が、とっても幸せなシーンなのに今後を思うと大変辛い……
地井武男さんの、姫を呼ぶ声が慈愛に満ちていて、それだけに今後、翁が考える「姫の幸せ」と、かぐや姫にとっての幸せがどんどん乖離していくことの悲しさが際立つ
翁は都に立派な屋敷を建てただひたすらに姫の幸せを願うけど、かぐや姫にとっては立派な屋敷で抑圧され高貴な姫君になることなんかより、大自然の中で、大好きな翁と媼と一緒に、ありのままに生きていたくて……
本人は少しも望んでいないのに、高貴な殿方たちから求婚され「なんと幸せな」「女にとって最大の幸せ」と言われ続けて、拒否することすら許されず。
かぐや姫は決して我儘なんかじゃなく、「もし私が御門と一緒になることが翁の幸せなら、一緒になった後で私を殺してくれ」とまで言うほど、翁と媼を大切にしているのでますます辛い。
唯一かぐや姫の気持ちを理解してくれる媼も翁を止められず。
誰にも救いがない……
私の稚拙な言葉ではあの映画の素晴らしさを表しきれない……
上手な文章書けるようになりたいなぁ。