かぐや姫の物語、全部知った上で観るとどのシーンも辛いけれど、それでも大好きな映画。

まず、かぐや姫の赤ちゃん時代に、翁が惜しみなく愛情を注いでいる場面が、とっても幸せなシーンなのに今後を思うと大変辛い……
地井武男さんの、姫を呼ぶ声が慈愛に満ちていて、それだけに今後、翁が考える「姫の幸せ」と、かぐや姫にとっての幸せがどんどん乖離していくことの悲しさが際立つ :blob_cry:

翁は都に立派な屋敷を建てただひたすらに姫の幸せを願うけど、かぐや姫にとっては立派な屋敷で抑圧され高貴な姫君になることなんかより、大自然の中で、大好きな翁と媼と一緒に、ありのままに生きていたくて……
本人は少しも望んでいないのに、高貴な殿方たちから求婚され「なんと幸せな」「女にとって最大の幸せ」と言われ続けて、拒否することすら許されず。
かぐや姫は決して我儘なんかじゃなく、「もし私が御門と一緒になることが翁の幸せなら、一緒になった後で私を殺してくれ」とまで言うほど、翁と媼を大切にしているのでますます辛い。
唯一かぐや姫の気持ちを理解してくれる媼も翁を止められず。
誰にも救いがない……

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唯一理解してくれている媼と、言葉少なながらもかぐや姫の気持ちに寄り添ってくれていそうな女童と三人でお花見に出かけるシーンも辛い……。

「姫」であることから、抑圧から解放され、幼い頃のように全身で自然と自由を感じていたのに、庶民の赤ちゃんとぶつかって、姫からぶつかったのに向こうが土下座して謝ってきて、現実を突き付けられ姫から笑顔が消えるのも残酷だし、
その後、自分のせいで一人の高貴な殿方が亡くなったと知らされた姫が、これまで大切に大切に作り上げてきた小さなお庭を全部めちゃくちゃに壊すのも、どれほどの苦しみかがダイレクトに伝わってきてこっちも苦しくなる :blobcatcry3:

というか、もう本当にどうしようもなく全てから逃げ出したくて、何もかも壊したくなってしまう苦しさの描写、「にせもの!!こんなもの全部にせもの!」って泣き叫びながら大切なお庭を破壊するその様子にすごく共感する
行き場のない悲しみや苦しみが爆発すると大切なものを壊したくなるの、心当たりがありすぎる

私の稚拙な言葉ではあの映画の素晴らしさを表しきれない……
上手な文章書けるようになりたいなぁ。

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