世界の様々な女性たちについて書いたエッセイ集は、はらだ有彩『「烈女」の一生』もとても良かったです。
トーべ・ヤンソン、崔承喜、フリーダ・カーロ、吉屋信子、ワンガリ・マータイ、プーラン・デーヴィーなど、抑圧とスティグマと共に生きた20人の人生を綴った一冊。
実を言うと本を開いた時は、他者が眼差した解釈と言葉で誰かの人生が立ち上らされることへの居心地の悪さのようなものを少し感じていたのだけど、そんな葛藤などはすでに著者は考え抜いており、この本は「彼女たちが残した感情の痕跡に、自分の感情を託す本」でした。
「烈女」たち各人ごとに要となる視点があり、その要とフレーズを反復させながらどんどん膨らんでゆく語りが素晴らしかった。