フレドリック・ブラウン『真っ白な嘘』(越前敏弥 訳)
超有名作家ではありますが、これが初読み。
予定調和を外していく構成やひねり方が絶妙で面白かった。どの話も映像がはっきり浮かんでくる。
『叫べ、沈黙よ』の恐ろしさはただ事ではなかった、余韻がすごい。表題作のタイトルの意味にもクスっと。
とりわけ短いにもかかわらず、読んだタイミングもあって『町を求む』が一番印象に残った。オチのラスト数行が強烈。
視点人物である悪党が最後に突然、読者に向かって話しかけてくる。
「この前の選挙のとき、あんたはどうした?」
市井の人々を貪る悪党にとって都合の良いことは何かという、1940年の小説の皮肉な警告。
「なんだって?投票所へ行きもしなかったのか?」
悪党にとっては理想的、Yeahhhhーーー!!なんだもんね。ちょうど昨夜、京都と前橋市長選投票日に読んでいたので、ウワーッってなった。