三木那由他『言葉の風景、哲学のレンズ』を読みました。
日常で直面する、言葉やコミュニケーションに感じた違和感を「今、何が引っ掛かったんだろう?」とスルーせずに見つめ直すこと。
三木さんが哲学のレンズを通して行う丁寧な思索をこうして読んでいると、自分自身の日々の景色もクリアになっていくような興奮があり、めちゃくちゃ面白い。
昨年、母に三木さんの前作『言葉の展望台』を読んでもらって読後にたくさん話をしたのだが、それ以来、クィアな話題を何でも共有して話せるようになった。
元々母とは倫理観も社会問題の認識にも齟齬が無く、これまでもSNS上の差別言説への怒りを聞いてもらったり、一緒にドラマ『POSE』を観たりしていたけれど、それでもすごく変化があった。
自分が以前にもまして「安心できる食卓」と感じられているのは間違いなくこの本がキッカケだったことを、「一緒に生きていくために」の章を読んだ時に思い出した。