昔々、あるところに、ITに強いかぐや姫がいました。
ITに強いかぐや姫は、
求婚してきた5人の男に

「印刷がプレビューとズレないExcel」
「勝手にアップデートしないWindows」
「ゲームがよく動くmacOS」
「動作が安定したIntel Arc」
「絶対に壊れないSONY製品」
を要求しました。

「印刷がプレビューとズレないExcel」を言い渡された男は、自分のパソコンとプリンターを使い、絶対にプレビューと印刷がズレない表を作り上げ、かぐや姫の元へ持っていきました。
かぐや姫は動じずに、お爺さんの持っているプリンターで表を印刷しました。
すると、1枚に収まるはずの表が、1列だけ2枚目に印刷されてしまいました。
Excelはプリンターが変わると印刷も変わるのです。
男の求婚は叶いませんでした。

「勝手にアップデートされないWindows」を要求された男は、Windowsの設定やコントロールパネルを操作し、「自動アップデートをしない」に片っ端からチェックを入れました。しかし、設定したにも関わらずWindowsは勝手にアップデートされてしまいます。設定してはアップデートされ、設定してはアップデートされ、を繰り返しているうちに何十年も経ち、男は誰からも忘れ去られてしまいました。
男の求婚は叶いませんでした。

「ゲームがよく動くmacOS」を要求された男は、M2 Pro搭載のMacBook Proにバイオハザード ヴィレッジをインストールし、かぐや姫の家まで行きました。ヴィレッジはAppleが発表会で宣伝するほど、Macに最適化されたゲームです。
しかし、かぐや姫は「ホラゲはやりたくない。Steamにあるインディゲーがやりたいわ」と言いました。男は渋々Steamをインストールしてみましたが、Armチップに最適化されたインディゲーなどあるわけがなく、どこもこれもマトモに動きません。
男の求婚は叶いませんでした。

「動作が安定したIntel Arc」を要求された男はITベンチャー社長で金持ちだったので、自分の会社の社員に「Arcのドライバを急ピッチで作れ」と命令しました。社員の不眠不休の努力により、わずか数日でIntel公式以上にArcを上手く扱うドライバが完成しました。
男は意気揚々とかぐや姫の元まで行き、事の経緯を胸を張って話しました。かぐや姫は、これはもう負けかと青ざめました……が、しかし、そこに男の社員が駆けつけてこう言いました
「社長!デバッグをしたら重大なバグが25個ほど見つかりました…!」
こうして男の持ってきたArcはバグだらけで動作が安定しませんでした。
男の求婚は叶いませんでした。

「決して壊れないSONY製品」を要求された男は家電量販店へ行き、プロフェッショナル用のミラーレス一眼をボーナス一括払いで買って、かぐや姫の元へ行きました。
「これはプロ向けのカメラです。過酷な環境でも使えるように設計されていて、決して壊れることはありません」
そう言う男にかぐや姫は
「本当にそうかしら。壊れないというのなら、そこの焚き火に放り投げてみなさい」
と言いました。
「もちろんです!」
そう言って男が焚き火にカメラを放り投げると、カメラに内蔵されていたリチウムイオン電池が熱され、大きな音を立てて爆発してしまいました。
「決して壊れないというのは嘘だったようね」
かぐや姫はそう言って男の求婚を断りました。この時、カメラが爆弾のように爆発したことから、ソニー製品が壊れることを「ソニー爆弾」と言うようになりました。

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なにげに原作に忠実なのが草 [参照]

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