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『みどりちゃん、あのね』第一話
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べえべえ泣いた。『うみべのストーブ』の著者の新作。
「野球する女の子」「地元を出て働く女性」から始まった物語が、家に着くやいなや男女によってバッキリ“居場所”が分かれる様子に進む。男は居間でテレビ、女は台所で料理、というやつだ。その説明なしの自然な流れがさあ、自覚して描いてる著者だと分かるので安心できた(ジェンダー役割!!!と呻きはするが)。
じゃあ個人個人を見ずに、男と女に分けられて当て嵌められる旧い役割を、「伝統」と呼ばれるそれらをどうしたらいいか、「この家」に育ってただ親を怨むことに徹することもできないししたくない時にどうしたらいいか、鮮やかに解決のひとつを見せてくれて良かったよ〜〜〜。
連載なのでこれでハッピーエンドとならないのもよく分かるしね…。一度だけジェンダー押しつけ役割が逆転したところでね……。
読んでいて思い出したのが柚木麻子『オール・ノット』。真珠のこぼれない結び方。貧困と性被害と今の現実政治を止められずにどんどん縮小して塞がってしまった未来を、特に女性の日常に即して描いた小説。その中で「自分が同じ立場になったからわかる。下の世代が自分よりさらにひどい苦境に立たされているのを見ると、(続く)

腹の底から湧いてくる感情は、憐れみではない。この国への怒りなのだ。」という、メラメラ燃えたつ心がある。自分にはそれがとても響いていて、同じ響きをみどりさんにも感じた。
また、みどりさんが言葉による「革命」を決行する前、巻き込んでしまう女性の代表の優子さんに予め話を伝えてあるのもよかったなあ。
そしてママには名前があって、パパには名前がないのだなあ。

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