現在、世界をカオスに引きづりりこみつつあるUSA。かつて、マルクス主義理論では「米帝国主義」という概念があったが、USAの支配層も冷戦終結後、「アメリカは現代のローマ帝国」と堂々と主張するようになった。
実際、建国の父達も「ローマ共和政」の復活を強く意識していた。上院と下院はローマの元老院と民会に対応する。また一種のキスト教原理主義も建国の際から同伴している。
例えば19世紀後半の「明白な運命 manifest destiny 」。これは中世に旧約聖書ダニエル書から作り上げられた「四帝国支配権移転理論」と呼ばれる終末論的「普遍史」観に依拠したもの。
四帝国とはアッシリア=バビロニア、メディア=ペルシア、ギシリア=マケドニア、ローマ。中世ではこれが神聖ローマ帝国に支配権が移転したとされたが、USAはこれを引き継ぐとする。
この四帝国支配移転理論、一度人文主義者コンリングによって否定されたが、「帝国の進路は西にあり。最初の4幕すでに閉じ。その日とともにドラマが終わるは第5幕。最も高貴なる時代、そは最後の第5幕」詩句が示すように、正にトランプ派のキリスト教原理主義者へと受け継がれた。
ただし米下院の壁画が示すように「帝国の使命」、トランプ派を超えて広く共有されてもいる。なかなかに厄介である。