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「荒野のリア王」木庭顕さんが、ついに「荒野」からお戻りになり、今週の「朝日」デジタルに16頁に及ぶ批評を寄稿している。

 ここで木庭さんは「2013年体制」と呼ぶ「極右=ウルトラ・ネオリベラル」体制の起点を1980年代の土光臨調と国鉄解体に見る。この視点は私たちが1990年代に行った「80年代研究会」とその成果、例えば2000年の『現代思想』「ポストモダンとは何だっのか?」、あるいは2023年4月の『現代思想』三宅・大内対談「新自由主義下と教育とイデオロギー」とほぼ同じ。

 また木庭さんは新自由主義的再編までの戦後日本体制を「利益集団多元主義」と呼ぶが、これは大企業及び、農協、日本医師会、特定郵便局長、各種業界団体などと自民党の利益調整政治を指す。

 新自由主義的再編はこの「利益集団多元主義」さえも立ち行かなくする。例えば小泉による郵政解体などはその典型。

 この再編以降の特徴として、木庭さんは、金融、軍事、デジタルの前景化を強調。勿論、統一教会と「反社」による「闇」の浸透も忘れていない。

 最後に「希望」として語るのは「個人」をベースにした「連帯」、「新しい市民社会」である。

 これは私が「世界史の中の戦後思想」で提唱した「21世紀の社会主義」と同じではないが、かなり重なる概念である。

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