「サラリーマンは寝て稼げ」という広告は、1年くらい前から電車内で見るようになって「あほらし」と思っていた。
しかし、学生達から「今は不労所得はいい意味で使うのですよ」と言われて、半信半疑で調べて見ると、確かにAMAZONで「不労所得のすすめ」とか「不労所得であなたも億万長者に」とかいう怪しい本がやたら並んでいる。いやはや。
今はやりの「レント資本主義」の日本における実態、というとこか。
しかし、「不労所得」で人生を全うすること、これは可能でもなければ望ましくもない。(金融資産5億以上あれば可能かもだが)。
「不労所得」を規範として共有してしまった社会は、近々崩壊することも間違いない。
他方、これはハイポリテックスの文脈では、日銀が株式・国債から撤退する分を家計貯蓄で埋め合わせようということ。
日本の家計貯蓄は総額で2千兆円。これは高度経済成長の遺産でかなりの額。これを担保にして東証株価の調整を行おうという腹だろう。しかし、現在乱高下する投機市場ではあっという間に雲散霧消する可能性も捨てきれない。
また世界システム論的に言えばレント資本主義が可能なのは、英国・米国などの覇権国家だけ。軍事力、国際基軸通貨特権、国際機関の支配、ゲームメーカー、英語。日本は全て欠けている。