ローマ法講座、東大のリア王の後もなくなったそうなので、もう日本では研究者の再生産はあ止まった、ということなのだろう。
イタリアでは100以上の大学でローマ法講座があり、これは本場であるから当然としても、欧米でローマ法講座がゼロ、ということは考えられない。
日本でも最低、ヨーロッパ古典学の一部門として10講座は残すべきだろう。財政的裏付けを言うなら、研究者でもない「コンサル」系・企業経営者・官僚、落選した政治家の天下りの分を充てれば十二分でまだおつりが来る。
なんといっても、欧州は勿論米国も「アインデンティティ」は体制派も含めて「ローマ」である。何かと公の場ではローマの故事の引用が入る。
であるから、外交にしても、最低限のローマ史・ローマ法の知識は必要になる。でないと、いつまでも「文明外の輩」と見下されたままになる。
これは絶滅しつつある中国法制史に関しても言える。何と言っても、唐の律令は7世紀に日本に国家が創設される時に、ほぼそのまま輸入されたもの。その後、時代に合わせて変遷したものの、基本的には幕末まで続いたのである。