実際、野田が終始蓮舫につきまとったことで、「失われた票」は計り知れない。
何と言っても、野田はかつての民主党政権をTPP案件で崩壊に導いた当の張本人である。本来であれば、とっくに「政界」を引退していなければならない。
とにもかくにも「安倍晋三」を盟友とよびたがる「大物」が周囲でうろうろしていては、選挙後半の蓮舫の「社会的」な主張の信憑性が下がりかねない。
実際、野田はつい最近も直近の衆院選で東日本は共産と西日本では「維新」と共闘すべき、というそれこそ「驚倒」する提言を行っている男である。
今回の選挙でも、公約文書はよかったものの、最初の広報CMでは、「仕分け」・「行革的」的なイメージが前景化し、ポスターや街宣の管理をする労組系の人が「萎えてしまった」という話を仄聞した。
後半、蓮舫が「社会的なもの」を押し出して、猛追し、小池陣営の心胆を寒からしめたのは、むしろ、大企業支配としてのネオリベラリズムに批判的な一般市民の声といってよい。
とにかく連合は小池を支持していた訳だから、野田は来なくてもよかった筈だ。もし、選対が「元首相」という名前に釣られて連れてきたとすれば、大失策である。
しかし、いずれにせよ、最終版の一人街宣の波、これこそが新しい市民社会の礎となるだろう。