日本でも有名なA.センはJ.ロビンソンをケンブリッジで指導教官とした。
センはノーベル経済学賞を受賞したが、学者としての力量・スケール・独創性はジョーンの方が遥かに上。センの主張は基本、中道左派的な「常識」を経済学の世界でも多少受け入れさせた、という程度のもの。逆に言うと、今の経済学は如何に非「常識」で何の役にも立たないか、ということである。実際、「資本主義体制」を学問の対象から外す「経済学」に何の有効性があるのか?
1983年まで生きたジョーンは当然ノーベル経済学賞の候補に何度もなったが、結局受賞せず。理由は、
1)女性であること
2)受賞の場合、スピーチの席で主流派経済学への批判を展開する可能性があったこと
3)受賞を決定させた上で辞退し、ノーベル経済学賞の「無意味さ」を世界に知らしめる可能性があったこと。
と推測されています。
実際、「ノーベル経済学賞」は他の正規のノーベル賞と異なり、政治的にジョーンの論的であるサミュエルソンに受賞させるために1970年に米国の肝いりでつくられたもの。
21世紀は、新古典派の虚構性を明らかにし(すでに明らかなのだが)、むしろジョーン・ロビンソンをケインズ以降の最大の経済学者と見做すようになるかもしれません。