「 あの」竹田恒泰氏が社長をつとめる令和書籍の歴史教科書が検定を合格したと云ふ。
しかも、日本史研究者でもない竹田氏が自ら執筆した、というのだ。
中学・高校の歴史教科書は、普通各時代、各地域の専門家たちが、数年かけて作り上げるもの。
竹田氏は、日本の中学の歴史教科書が「反日的」として自ら「国史」の執筆に乗り出した、と伝えられる。
ところで、「国史」という表現、とっくの昔にアカデミアでは使われないようになっている。通常、「日本史・日本語文学」である。
ま、東大法学部の紀要のようにまだ「国家学会雑誌」という名前に所もあるけれども。
今回提出した竹田版教科書では「現存する世界最古の国家は、わが国」という明らかなデマもあったらしい。
しかし「後白河天皇の院政」と書くようでは、著者自身が中学歴史教科書を「学び直し」した方がよいのではないか?
日本の建国の成り立ちを「子供たちが知らない」とも主張しているようだが、本人も「知らない」ようなので、まずは網野善彦「日本とは何か」を読むのがよいだろう。
しかし、この手の出版事業、WILLでもHANADAでも同じだが、一体どこから資金を調達しているのか、それがなんとも謎である。