ベラスケス「女官たち」
「おそらくこのベラスケスの絵の中には、古典主義時代における表象関係の表象のようなもの、そしてそうした表象のひらく空間の定義があるといるだろう」(M.フーコー『言葉と物』)
しかし、エル・グレコやあるいはベルニーニの「聖テレサの法悦」に関して、同じことは言えるだろうか?
そもそもベラスケスは、この時代、あるいは西洋美術史においても傑出した大芸術家であって、「バロック」という枠にも「古典主義」という枠にも収まらない。
このあたり、フーコーもある意味バロック的カトリックとジャンセニズム(パスカルなど)が、せめぎあいながら、「古典主義」美学を発達させた、「あまりにもフランス」的な美学の内にいる、とも言えるのかもしれない。